注文手作り家具・木芸たじま
 仕上げの[塗装]について 

塗料にもいろいろな種類があり、それぞれ一長一短です。
無垢の木材に塗装して仕上がりと耐久性を考えると、手間がかかっても漆塗りに勝るものはありません。
拭き漆仕上げ、木肌が生きるオイル仕上げなどの説明です。
拭き漆(摺り漆)

漆(ウルシ)は縄文時代にヤジリ等を留める接着剤に使用されたのが始めとされています。 漆の木にキズを付けると生命反応により滲みだしてくる乳白色の液(乾くと黒くなる)が漆です。
このように採取したばかりの漆を(原料生漆)と呼び、これを精製したものを(精製生漆)と呼びます。精製生漆は用途によって [生漆](キウルシ)、[透漆](スキウルシ)、[黒漆](クロウルシ)の3つの種類に加工されます。
拭き漆とは、木地に生漆を摺りこみ、寒冷紗でふき取る作業を数回から数10回繰り返し、薄く均一な漆膜を作って、艶を上げ、木の美しさを生かす塗装技法です。
8回塗り左の写真はケヤキに生漆を8回塗った見本です。
拭き漆の特徴は木目の美しさを強調し、独特のしっとりとした艶が出ることです。漆は、天然素材で毒性(ホルムアルデヒド等)を含まず体には無害ですので安心してお使いいただけます。また自然の香りが良く、酸・アルカリ・塩分・アルコールなどにも強い、高分子ですから拭けば拭くほど艶が出る、などの良さがあります。
ただし漆は直射日光(紫外線)に当たると劣化します。
  漆桶、漆刷毛、ヘラ、寒冷紗
漆桶、漆刷毛、ヘラ、寒冷紗(漆の拭き取り用)


寒冷紗の使用前(右)と使用後(左)
漆塗り作業

生漆は薄いベージュ色(乳白色)で粘度の高い液体です。厚紙で出来た直径15cm高さ10cmほどの円柱の漆桶に入っていて、蓋は紙で空気が入らないように密着してあります。意外と簡単な方法ですが、漆は空気中の水分と化学反応し硬化するので空気に触れなければ良いのです。ヘラなどで板などほかの容器に移し、練ります。漆塗装をする木材に、ヘラまたは刷毛でこすり付けるように塗り込む。塗った漆はすぐに寒冷紗できれいに拭き取り漆の薄い膜を残します。これを何回も繰り返すので、この漆を拭き取る作業から「拭き漆」と呼ばれています。
  寒冷紗の使用前(右)と使用後(左)
漆桶を開けたところ
  刷毛で漆を塗り込む
刷毛で漆を塗り込む
  寒冷紗で拭き取る
寒冷紗で拭き取る
漆家具のお手入れ

●家具は直射日光の当たらない場所に置いてください。
●ヤカン等厚いものや、また極端に冷たいものも直接置かないでください。
●濡れたものを置いた後は、水分を拭き取ってください。
普段のお手入れは柔らかい布でカラ拭きしてください。特に汚れのひどい時は固く絞った布でふき、その後乾いた布で拭き上げてください。
オイル塗装

木の表面に亜麻煮油や荏油等の植物油を薄く塗り込む塗装方法です。オイル仕上げは木の導管をふさがないので木が呼吸します。天然の植物油を使用しているから安全です。磨くほど木の味が出ルのですが、反面、木が呼吸するので割れや反りが出る事があります。すぐに拭き取れば問題ないのですが水などをこぼしたままにしておくとシミになります。すぐに拭き取っていただければ問題ありません。
オイルの塗布など定期的なメンテナンスが必要です。
  オイル塗料
オイル仕上げの発色

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